ピースの人

西新宿の中華屋で昼ごはんを食べていたらピースをしたおっさんが入ってきた。

なんだろうと思っていたら、ふたりであることを伝えたかったのだ。何名か聞かれて「ふたり」と応えるゼスチャーがピースになってしまう問題はあるが、聞かれる前からゼスチャーをしていると純粋ピースである。

しかもあのおっさんはピースを上下に動かしていたので完璧だった。

新宿駅南口を出たらぱらぱらと雨が降っていた。目の前にハンカチを頭の上に載せた女の子が歩いていた。

気持ちはわかるが温泉っぽい。

テレビで秘境の温泉に観光客が入ってますという映像を見た。岩場の狭い風呂におじさんがぎゅうぎゅうにはいっていた。

猿っぽいのだ。

人は自分の意志とは別にピースをしたり温泉っぽくなったり猿になったりする。

ステルス侍

地方のラブホテルに3人組の強盗が入って18万を奪ったというニュースを見た。犯人は「カネ、カネ、カネ」と言っていたそうだ。そのカタコトからすると日本人ではないかもしれない。

そんなことを考えて見ていたら、ラブホテルの外観が写った。

まるっきり城だった。

外国から来た人が見たら絶対に大金があると思うだろう。なにせ城だ。それで18万とは。3人組だからひとり6万。

食い逃げという犯罪のマンガっぽいところはレバレッジがきかない点である。自分の胃袋以上は盗めないという正直さ。現金や食材を盗んだら一食以上は盗める。しかし食い逃げはどんなに腹いっぱい食べて逃げたとしては明日には腹が減るのだ。

ダンボールで甲冑を作っているおじさんが日本中にいるらしい。

後世、いまの時代はダンボール時代と呼ばれるかもしれない。
「刀狩りの影響で武装解除させられた市民はダンボールで甲冑を作っていたのでした。」とナレーションで説明される時代だ。

しかしダンボール甲冑は金属探知機に引っかからないのである。飛行機にもそのまま乗れる。

21世紀的な防御という気もする。

ステルス侍。

私としたことが!

………私としたことが!

と言ったことがない。でも言ってみたいとは思っている。シチュエーションとしてはなにかのミスをしたときだろう。

ただプレゼンでパワポのデータを忘れる、精算の期限を忘れる、ビックカメラでヨドバシのカードを出すなどミスばかりの日々なので、ミスをしても「私としたことが!」ではなくまったく、むしろ私らしい。

あ、いや、待ち合わせで約束の時間の10分前についてしまう、これは滅多にないので「………私としたことが!」と言ってもいいと思う。

しかし誰に言うんだ。

 

短時間で更生

新宿で終電間際の小田急に乗って発車を待っていたら、酔った若者が入ってきてドーンと座席の上に寝た。

寝っ転がりながらスマホを頭上に掲げてなにか見ている。

すると徐々に起き上がって最後にはふつうに座りなおして前傾姿勢でスマホを見ていた。電車が走り出すころにはスマホをしまって本を読んでいた。

彼が見ていたスマホにはなにが書いてあったのだろう。

 

かけがえのなくない私

ビジネス書完全ガイドというムックで本を勧めて欲しいと頼まれた。

ビジネス書じゃない分野からというリクエストだったので5冊選んだ。

成りあがり・矢沢永吉
貧困旅行記・つげ義春
素敵なダイナマイトスキャンダル・末井昭
おこりんぼさびしんぼ・山城新伍
アシモフの雑学コレクション

貧困旅行記の最初に載っている「蒸発旅日記」という短いエッセイはつげ義春がマンガ家をやめて何度か手紙をやり取りしただけの女性と結婚するために九州にいく話である。

離婚歴がある女性だから結婚してくれるだろう、ひどいブスだったら困るけど少しぐらいなら我慢しよう、とあけすけである。いきなり行ったものだから会えなくてパチンコをしたり、会ってみたら美人なんだけど明るいから嫌になったり、リアルというありふれた言葉で表現するもためらうぐらいリアルだ。鄙びた温泉でストリップを見ていたらでかい蛾が入ってきて踊り子が嫌がってたので灰皿で捕まえたらご開帳してくれたとか、エピソードも陰鬱としている。

かけがえのない自分、とは真逆の行動である。

SNSをながめていると自分も世界に関わっているような勘違いをしがちだけど、実はどうでもいい存在である。おれがイギリスの心配とかしなくていいのだ。

昔の人の話で、子どもが多くてもうこれ以上生まれないように「トメ子」とつけたとかそういう話があるけど(いま犬だってそんな名前つけない)、それぐらいなんだよなー実は人って、と思う。

人って、とか書いちゃったけど、本はamazonのリンクになってるので買ってください。

野菜どろぼう

ジョギングをたまにする。

ジョギングのコースには農家の無人販売所があるのだ。初夏になって野菜が並ぶようになった。

気になっていたので先日キュウリを買ってみた。スーパーで売ってるのと違ってキュウリに残っているツルも長い。もぎたてという感じだ。

そのキュウリを持ってまた走りはじめたが、コンビニのガラスに映る自分の姿を見て思った。野菜どろぼうだ。

早く帰ろうと思って早く走ったがより泥棒っぽさが増しただけだった。

キュウリはしっかりした硬さでうまかった。

いらんことができるようになりたい

デイリーの撮影の帰り、スポーツが苦手な人だけで話していた。

全員に共通しているのはスポーツに関して訓練して何かができるようになったことがないということである。勉強してテストの点が良くなったり、エクセルの関数を憶えて気が利いた表が作れるようになったことはあった。だけど走っても痩せないし、ボールをけると思わぬ方向に飛んで行く。たぶんその経験が身体にもあるとスポーツをする人生になるんだろう。

という恨み言とは別にやっぱり何かできるようになりたいと思う。

ボディビルとかどうだろう。

あの役にも立たない観賞用の筋肉。スポーツなのかどうかも怪しい。3ヶ月ぐらいで変わってきたりするのだろうか。ボディビルの次点は一輪車と暗黒舞踏である。

いらんことができるようになりたいのだ。

楽しい騒音計

New american public artという団体のlistenerという作品が単純でおもしろい。

Listener from New American Public Art on Vimeo.

わーと声を出すと光るLED。騒音計がついた「ただいまの騒音」という看板の下で大声出すのと同じである(中学生の頃にやった)。なにか単純なことをして、それが遠く離れたところに作用すると楽しい。福岡ドームの屋根の開閉ボタンとか押してみたいと思う。

ベイエリアのメーカーフェアで見たこのぶら下がってる手もショックだった。これでいいのか、というショックさ。

20160622

ジャンプして触るだけ。でもおもしろくてみんなやっていた。

こういうものを作りたいと思っている。アメリカでボタンを押すと東京で飲んでる人のイスが傾く装置、ひもをひっぱると滑車で太った人が浮く、カラオケのマイクを2mの長さにする、ヘリウムを吸って街頭演説をする。

最後のは少し違うか。

春はあけぼの(笑)

> ご協力のほどよろしくお願いします(笑)

と笑うところでもないところに(笑)とついている文章を見かけた。笑いながらのお願いなのだろうか。それはそれでおもしろいので、ほかにも活用できるかもしれないと思って考えていた。

> 春はあけぼの(笑)

これはけっこうしっくり来る。笑いながら言ってそうだ。

> 板垣死すとも自由は死なず(笑)

ここまで立派なことを言うとたしかに「辞世の句のわりには気がきいちゃっててすいません」みたいな気持ちもあると思うので納得できる。

雨ニモマケズはどうだろう。でももうそれ誰かネタにしてるんじゃないかと思って書く前に検索したら、

「雨ニモマケズ ラーメン」

とサジェストされたのでそのまま見たらそういう名前のラーメン屋があった。サジェストでラーメンがつくのは(笑)をつけるよりもよりも台なしな感じがする。

「直訴 ラーメン」とか「バビロン捕囚 ラーメン」とか。

台なしな上にありそうな気がしてくるのだ。そんな店。

メガネが広がってゆるい

メガネが広がってゆるい。

ゆるいのですぐにずり落ちる。だから指で支える。我ながらまんがに出てくる秀才みたいだなと思う。

しかし下を向いてシーフードヌードルを食べているだけなのだ。

・まんがに出てくる秀才はメガネが広がってるのではないか
・メガネが広がるのはメガネを掛けたままうたた寝するから
・つまり、メガネを支えている秀才は頭が悪い
・いや、勉強に夢中になるあまりメガネ掛けたまま寝てしまうのであれば秀才かもしれない
・顔の脂がすごいという原因もあるだろう
・秀才っぽくないな、と思ったが顔の脂の量と成績は関係ない
・顔テカテカの人、ごめん

以上がラーメン食べながら考えたことである。