ホスピタリティがずれている

間違ったところにこだわっているものを見ると、忘れたくないと思う。

「当店の舟盛りは本物の舟を使っています」

そう書いている店があった。刺し身を乗せるにしてはずいぶん大きい。舟のへりにちょっと置くぐらいかもしれない。箸を持って舟のまわりをウロウロするのだろうか。刺し身を見つけられる自信がない。

「メガネに度がはいっています」

メガネをかけた女優が出るアダルトビデオのパッケージにそう書いてあった。そこは大事なのだろうか。ただ、性の話になると、そういうのもあるのかもしれないと思う。

「ハンバーグ食べ放題」

そんな垂れ幕を掲げているラブホテルを電車から見た。ホスピタリティがずれている。

大人がまじめに商売のことを考えた結果、おかしな方向に全速力で走っている姿はすごく愛おしい。

本物のライオンを使った獅子舞も見たい。

サラダ創立記念日

僕が通っていた小学校の創立記念日は6月17日だった。

しかしよく考えるとなんで学校が始まった日がそんな半端なんだろう? 学校が新設されたら始まるのは4月1日だろう。

Wikipediaによると創立記念日は自由に決めて良いらしく、学校を作る準備を始めた日や校舎ができた日にしているらしい。地元の祭に合わせたという学校もあった。

サラダがおいしいからサラダ記念日という理由とたいして変わらない。

大阪で安室奈美恵を聴く

2年前、大阪の京橋でAirbnbを使って泊まった。

コンクリ打ちっぱなしのデザイナーズマンションだった。部屋には豪奢なシャンデリアがぶら下がっていて、絶対自分じゃ買わないインテリアに笑った。

夜、その部屋でひとりでSoundCloudを聴いてたら安室奈美恵のリミックスがかかった。

知らない町の知らない部屋でふだん聴かない音楽を聴いている。

平行世界との境界を越えた感じがする。この町で僕はどんな仕事をしているだろう。車の免許は持ってるだろうか。

先月、久しぶりに大阪でAirbnbを使った。

今度は上本町のアパートだ。仕事がある梅田まで自転車を借りて移動した。帰りに弁当を買って帰ってきた。

iPadで音楽を聴きながら食べていて、そうだと思って安室奈美恵にした。

大阪のおれは安室奈美恵を聴くのだった。

徐々にもうひとつの世界がしっかりしてきた感じがする。

ゴリラ、ぶらさげちゃおうかな…

ゴリラがぶら下がっているビルがあちこちにある。

もし僕に一生働かなくていいぐらいの蓄えがあって、数軒目のビルを建てるとする。信頼できる不動産会社と建築士に仕事を頼み、粛々とプロジェクトは進むだろう。

流行りのデザインで、人気の店がテナントとして集められる。大儲けはしないけど確実な利益が出そうなプランに僕は納得するだろう。

でも、そんなときにふと思うのかもしれない。

『ゴリラ、ぶらさげちゃおうかな…』

(ゴリラぶら下げちゃえよ!)(いいじゃんゴリラ。目立つよ~)

そんな金持ちしか聞こえない声があるのかもしれない。それに抗えなかったのが全国に散らばるゴリラビルなのだ。

自由の女神が立っているホテルにも同じものを感じる。

しかし、映画「キングコング」の公開は1933年。86年前である。86年後に遠く離れた島国に真似たビルがある影響力に身震いする。

渋谷の新しいビルのどれかひとつにゴリラぶら下げればいいのに。

meigen

偉人と名言を紹介するサイトを見たら、今日の名言のところに${meigen}と表示されていたことがあった。

${meigen}はコンピュータに保存されている言葉を表示させるときの書き方である。

本来は${meigen}が名言に置き換わってなければいけないのだが、うまく動いてなくてそのまま表示されてしまったのだろう。

おもしろい。”いい言葉”も置き換え可能なたくさんあるうちのひとつだったことがが分かる。人生を変える言葉もカタログギフトだ。

いや、そうしたらそれを聞いた人の反応だってそうかもしれない。

“いい話”を4コマ漫画にするとこうだ。

未来、人類が精巧なロボットと付き合うようになったとき、調子が悪い恋人が ${ainokotoba} と言い出してほしい。

ビンゴカード

公園で珍しい太鼓を叩いている人がいる。

絞り染めの先輩とかああいう人が気になる。少し憧れているのだろう。

しかし人生でどんなことがあったら人は公園で太鼓を叩き始めるのだろう。チェックリストのようなものがあるのかもしれない。

□ 学校やバイト先が高円寺にあった
□ 好きなミュージシャンのバックバンドにその太鼓があった
□ 家が狭い
□ ・・・

たくさんのチェック項目があって、特定のチェックがうまると「公園で太鼓を叩く」が発動するのだ。

別のチェック項目の組み合わせは「壁をのぼり始める」「ウェブサイトを作り始める」「空の写真を撮り始める」「外に椅子を持ち出して酒を飲み始める」などがあるだろう。

この列が揃ったらあなたはLDHに入る、とかそんな当たりのわからないビンゴカード片手に生きている。

しらんけど。

エクセル中級

もう20年ぐらい前のこと。

事務のスタッフが必要になって派遣会社に頼んだら、候補の人のプロフィールを持ってきた。ひとりの人のプロフィールに

「エクセル中級」

とあったので、そんな検定があるのか聞いたら

「いえ、操作しているのを私が見て、中級ぐらいかなーと思ったんで書きました!」

と勢いよく答えられた。

最近仕事をしててそんな適当な人に会わない。

勢いで思い出したのでもうひとつ、会社に不動産の勧誘の電話がかかってきて、どこでこの番号を知ったのか聞いたら

「はい、名簿業者から買いました!」

と勢いよく答えられたこともあった。

勢い大事ですね。

さらに思い出した。その派遣会社の人はクレーンの荷物を掛けられる人を紹介してきたこともあった。

「この玉掛け資格というのはなんですか?」
「はい、クレーンのフックに荷物を掛ける作業です」

それは大変そうな仕事だけど、オンラインショッピングのバックオフィス業務だったのでお断りした。

手続き道

書類仕事、申請や手続きが苦手な人は多い。あれは学校の勉強とは別のものである。

「道」なんじゃないだろうか。手続き道。

柔道や生花と同じ、ひとつの所作の世界だと考えると意外にしっくりくる。

例えば家の前に知らない人の車が停まっていたとき、既存の学問だと、テコの原理でひっくり返す(物理)悲しさを綴る(国語)力づくで押す(体育)といった対策だが、行政に連絡するのが手続き道である。

たぶん平常時では手続き道がいちばん強い。

つまり、僕が手続きが苦手なのは、柔道をやってないのに柔道やれと言われているようなものだからである。

どこかに柔道を習うように手続きを教える道場があったらぜひ行きたい。

リニアモーターカーと居間

広さを六畳間で換算する癖がある。

リニアモーターカーの試乗に行ったときも、あまりの先頭の長さに「ここに六畳間いくつ入るんだろう」と思った。

リニアモーターカーの先頭部分は15m、幅が2.9m。6畳間は約3.8m✕2.9mなので3つ分である。


リニアモーターカーすごい

実家の居間が六畳だった。あの、一家でさんまのかば焼きを食べたり鳥人間コンテストを見たスペース3つぶんだ。それは広い。

それが時速500kmで走る。常軌を逸している。

もちろん渋谷の交差点とかでも、ここに居間があったらどれぐらいのスケール感なのだろうと思う。


こんな感じだろうか。

いちど外に六畳間を作って家と外のスケール感の違いを確かめてみたい。

その六畳間にタイヤが付いていて走ったりしたら最高だ。

リズムだけ俳句

会社の近所でこの車を見た。

 

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逆から読んでも七五調

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いま住(じゅ)の木 なかたゆ心 しよでん住(じゅ)

意味がわからないのに七五調なのがおもしろい。もちろん「住んでよし 心ゆたかな 木の住まい」なのだが、五七五は逆から読んでも五七五なのか。

つまり、俳句は逆から読んでもいいのだ。例えば…

エコのみせ 類みしにワイ やさけ寿司

謎の言葉なのにリズムが良くておもしろい。やさけ寿司ってなんだ。(もとは「閑さや岩にしみいる蝉の声」)。

逆から読んでも意味の違う俳句になるのもおもしろいかと思って考えてみた。

夜おそく 猿だけにする エコのみせ ←→ 蝉の声 留守に気だるさ クソおるよ

しかし完全に意味のない五七五のほうがグッとくる

すこげるな ねもしつらそぼ ゆみぼるし

けこけこみ ゴヴォけきゅみけこ 林です

最後、急に意味がわかる言葉が出てくるのもおもしろい。沼から急に人が出てくるようだ。

明日にはおもしろさがわからなくなってる気もする。