タイムリープ

デイリーポータルZをやめたら何をするか、と聞かれたときに考えた。

時間があるから旅行にでも行こうか。おもしろいものを見たら人に言いたいのでブログに書くだろう。旅行だけじゃなくて、自分でおかしなものを作るのもいい。作ったら自慢したいのでやっぱりブログに書こう。

でもひとりだと毎日ボリュームのあることが書けないから、仲間を集めるのもいいだろう。集団で更新するブログにするのだ。でもそうするとやがて使えるお金で悩んだり、スケジュールがカツカツになって気を揉むかもしれない。

あ、そのサイトと仕事知ってる。デイリーポータルZとウェブマスターである。

実はそんなことをタイムリープのように繰り返しているのかもしれない。

無収入に慣れる

どうやって食べているのか分からないフリーランスの知人が何人かいる(僕も傍から見たらそうかもしれない)。

そのうちひとりに宝くじでも当たったのか聞いてみたところ、そんなわけないとのことだった。

「ただ、仕事がなくても焦らないように自分を訓練した」

と言っていた。実際、昨年は4ヶ月仕事がない時期があったそうだ。でも、焦らなかった、と。

新たな収入源を見つけるのではなく、無収入に慣れるのが解なのだ。

そっちかー!と心の底から納得したし、ちょっと仏様みたいなこと言ってないか、と思った。

ポルノ

わりと好んでポルノという言葉を使う。

猫動画やでっかい食べ物の写真はポルノだと思うし、ビジネス書を読んだだけで満足するのをキャリアポルノと呼ぶらしい。

文脈を無視してただその瞬間の口当たりの良いものを消費するのがポルノかなと理解している。

しかし肝心のポルノはシチュエーションが凝っているものが多くて(官能小説とか)、ぜんぜんポルノ的ではない。

でも今思ったが、僕のポルノのニュアンスが果たして伝わっているか確認したことないので、会議で急にポルノとか言う人と思われている可能性もある。

空にTODOリスト

21世紀の民俗学という本に、昔の農民は季節ごとの星で今やるべき作業を知ったと書いてあった。

つまり、あの星が出てくる時期だからそろそろ収穫だ、などと考えたのだろう。

空がでっかいTODOリストなのだ。ガスター10の文字のように「田植え」と空に現れているようなものである。

いまのARとかiPhoneアプリのレベルではない。

便利でうらやましい。

26kmの歯列

奥歯から前歯を通って反対側の奥歯までだいたい15cm。上下あわせて30cmである。

1日3回食後に歯を磨くとして1日90cmの歯を磨く。1年に328.5mだ。80年生きるとして、26,280m。

およそ26km。

人生とはつまり長さ26kmの歯の列を磨き続けることである。

 

日本橋から国道1号線で行ったら、新子安あたりである。

僕はいま46歳なのでようやく池上のあたりだ。

同僚の子どもが「一生で道に落ちてるヒモをヘビと見間違えて驚く時間」を計算したという話を聞いて、時間は合計すると面白いし、じゃあ距離だとどうだろうと思って考えたのがこの26kmの歯列である。

小学生に影響受けてる。

カードリーダー

会社が入っているビルはエレベーターにカードリーダーがついている。社員証をかざすと特定のフロアのボタンが押せる。

このまえ作業着を着たふたりが乗ってきて、「このカードリーダーにおれのカードかざすとどうなると思う?」ともうひとりに言った。

エレベーターか、ビルかコピー機のメンテナンスの人だと思う。つまり、部外者のカードをかざすとどうなるか、ということである。

もうひとりが答える前にカードをかざした。

「ピッ」

「な、『ピッ』となるだけなんだよー!」

「うわー、超びびったー!」

「おれも最初びびったんだけどやってみたんだよー!」

と盛り上がっていた。中学生か。でもうらやましかった。僕もよそのビルでやろう。

残業時間に木魚

昨日の夜、残業時間に木魚を叩いていた。

昼の撮影で使った木魚が机の上にあったのだ。こまごました作業をしていたので気晴らしに叩いてみたら楽しかった。

フロアにはもう僕しか残ってない。薄暗いフロアにぽくぽくという音が溶けていく。

メールを書いてはぽくぽく、エクセルに記入してはぽくぽく、と作業していたら人が現れた。びっくりした。

離れたフロアの人が「こちら側、もう誰もいません」と言いに来てくれただけだった(親切)。木魚でなにかを召喚してしまったのかと思った。

しかし帰りにフロアを施錠しながら思ったが、あの人のほうこそ薄暗いフロアから木魚の音が聞こえて怖かっただろう。

紙吹雪

夏、チームラボジャングルというイベントを見に行った。

最後に紙吹雪が舞った。紙吹雪が舞うとなんだか高揚した気分になる。感情の高まりを感じるのだ。

いや、僕はただ入場料を払って入っただけである。なにひとつ達成していない。

なのにこの達成感。

僕が知っているトップオブ紙吹雪はワールドカップ優勝である。あれは紙吹雪にふさわしい。サッカーという競技人口が多いスポーツの超うまい人たちが予選から競い合った結果だ。

でも気分的にはワールドカップ並だ。紙吹雪がずっと舞っているカラオケ大会とかをやってみたい。

9次元

先日「超ひもナイト」というイベントを見てきた。物理の超ひも理論を語るイベントである。

超ひも理論が成り立つためには9次元でないといけないそうだ。9次元がどういうことなのか、3次元の僕にはよくわからなかった。

しかし4次元以上の世界もありなのだということが驚きである。

むかし朝まで生テレビのUFO特集のとき、UFO研究者が「宇宙人は6次元から来てるんですよ」と発言したところ、ほかの参加者から「6とかばかなこと言ってんじゃない!」と集中砲火を浴びていた。

そのとき、そうか、4次元以上を言うとばかにされるのか、言わないでおこう…と思ったのだ。

でもいつのまにか9とか10とか25とかありな世界になっていた。

天動説が批判されていた瞬間を見た気になっているが、UFOがいるいないという話とは関係ないな。

質問形式の人

質問形式の人が苦手である。

僕 「そのTシャツいいじゃん。どこで買ったの?」

質問形式の人 「どこだと思う?」

僕 「?」

僕が質問していたはずである。なんで質問に質問で返すのか。さほど興味がないときの質問形式のときも困る。

「これいくらだと思う?」

答えは「どうでもいい」である。テクノ手芸部よしださんに聞いた質問形式はなかなか最悪だった。

「なんで私が怒ってるかわかる?」

正解しても怒られるし、不正解でも怒られる。退路なしである。そんな王手みたいなセリフ言ってみたいと思うが、そういう負は広めてはいけないので言わない。逆はどうだろう?

「なんで私が笑ってるのか分かる?」

………。いっそう感じ悪くなった。質問形式はだめだ。