リズムだけ俳句

会社の近所でこの車を見た。

 

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逆から読んでも七五調

Yuji Hayashiさん(@yaginome)がシェアした投稿 –

いま住(じゅ)の木 なかたゆ心 しよでん住(じゅ)

意味がわからないのに七五調なのがおもしろい。もちろん「住んでよし 心ゆたかな 木の住まい」なのだが、五七五は逆から読んでも五七五なのか。

つまり、俳句は逆から読んでもいいのだ。例えば…

エコのみせ 類みしにワイ やさけ寿司

謎の言葉なのにリズムが良くておもしろい。やさけ寿司ってなんだ。(もとは「閑さや岩にしみいる蝉の声」)。

逆から読んでも意味の違う俳句になるのもおもしろいかと思って考えてみた。

夜おそく 猿だけにする エコのみせ ←→ 蝉の声 留守に気だるさ クソおるよ

しかし完全に意味のない五七五のほうがグッとくる

すこげるな ねもしつらそぼ ゆみぼるし

けこけこみ ゴヴォけきゅみけこ 林です

最後、急に意味がわかる言葉が出てくるのもおもしろい。沼から急に人が出てくるようだ。

明日にはおもしろさがわからなくなってる気もする。

全員笑っている

なんどかラジオに出させてもらったことがある。

毎回楽しいのだ。

なんでこんなに気分がいいんだろう。このまえ気づいたが、ラジオはスタッフ全員笑っているのだ。

スタッフの人数が少ないというのもあるが、卓に座っている技術スタッフも放送作家もMCの冗談で笑っている。テレビやイベントなど関係者が多い現場だと、ひとりぐらい辛そうな若者がいる。

ラジオの出演が終わってビル出口まで案内されているとき、作家が「遊びみたいな感じなんですよね」と言っていた。

プロ意識とは無関係の、この遊びみたいな雰囲気だからできるものもあるよなと思った。

デイリーのことなんだけど。

ちっちゃいスピーカー

 

タクシーの中で流れているCMのことばかり考えている。

借りた車に荷物を積んでいると元のオーナーがやってきて「ちっちゃいスピーカー持っていく?」と言う。

言われた若者はまさかという表情で

「ちっちゃいスピーカー持っていっていいんですか?」

と聞き返し、もうひとりは画面横から入り込んで

「ちっちゃいスピーカー持っていっていいんですか?」

と同じセリフを言う。

え?この「ちっちゃいスピーカー」ってそんなにありがたいの?それとも何かの隠語?

これだけフィーチャされるのだから伏線であるのは間違いない。

だが、ちっちゃいスピーカーの中に違法薬物が詰まってて無実の罪で拘束されるとかそういう展開はなく、キャンプファイヤを囲んで終わるのだ。

回収されない伏線。しかもちっちゃいスピーカーのCMではない。

伏線なんて世の中にない。例えば「あれ、この駅、前に来たことがあるような」と言ってる人がいても、それはただの勘違いでタイムリープではない。

回収されない伏線だけのドラマを作りたいと思ったらまさにこのCMがそれだ。

こんなにもかき乱されるなんて。いい。

YouTubeで何度も見たし、ちっちゃいスピーカーがなにかも特定した。

https://www.yodobashi.com/product/100000001003453082/

これだ。

もしかして若者の間でちっちゃいスピーカーが外遊びには必須で、この商品がデフォルトなのだろうか。

20代の若者に聞いてみたらそんなことはないとのこと。

CMタイトルに「カーシェアだけじゃない」とあるので、車の貸し借りだけじゃなくてコミュニティであることをアピールしたいのかもしれない。Airbnbのような。

そうするとオーナーがなにかタダで貸してくれるという展開は納得だ。では、何を貸したらいいだろう。

ビール → 車のサービスでアルコールはだめだ
食材 → 知らない人から食べ物もらうのは恐い
ギター → 弾けない人もいるし
キャンプ用品 → たぶん持ってるだろうし…

そう思うとちっちゃいスピーカーは最善の解だ。ちっちゃいスピーカーだ。

オーナーが「これ便利よ~」も言うのも、若者たちが「ちっちゃいスピーカー持っていっていいんですか?!」と喜ぶ気持ちも分かる。

しかしちっちゃいスピーカーが欲しい。

経堂の沼

経堂にどんないい店も続かない場所があって、そこにできたそば屋が半年たたずに休業になった。

それまでそこにあったのは、晩杯屋の新業態の低価格ステーキ店(ベコ太郎)、東京初出店の博多のとんこつラーメン(博多一幸舎)、アメリカ人シェフのラーメン店(アイバンラーメン)というそうそうたる店。

そんな店でも持たなかった場所にできたのはふつうのそば屋。いちど食べたけど、ふつうだった。そばの香りがするとかではないそば。

この装備で数々の猛者を飲み込んできたワニの沼に挑むのか…。と思ったら半年たたずに休業の貼り紙。

「そ、そこは恐ろしいワニがいるんだぞ!」という声を無視して入っていってぷか~と靴だけが浮かんで来る。映画のタイトル前のエピソードのようだ。

地元ブログも「あの場所」って紹介するぐらいのバミューダトライアングル。

そば屋の向かいのカレー屋は南インド料理ですごくうまいので続いて欲しい。

三角コーンを傍らに

大腸検査では直腸に「ちょっとしたおできみたいなもの」があったので組織をとって検査にまわすことになった。

僕は不動産屋のカウンターで店員が電話で物件の空き状況を確認しているとき、
「これ必死で探してるアピールかな」
「ついさっき決まっちゃいましたって言ってるけど相手もグルかな」
「そもそも受話器持ち上げてるけど電話かけてなかったりして」
「この人は本当に不動産屋だろうか」
「ここ、不動産屋かな」
と考えるぐらい人を信じないので、「ちょっとしたおでき」も重大な病気と脳内で変換された。

2週間後、検査結果を聞く予約は9時だった。午後からデイリーの撮影がある。三角コーンが必要な撮影だったのだが、そうすると診察室に三角コーンを持って入ることになる。三角コーン傍らに深刻な結果を聞くのはどうなんだ。

そんな組み合わせ、とっちらかりすぎて説明がつかない。でも現実はたまにそういうことがある。

でもそんなショックを乗り越えておちゃらけたデイリーの撮影をするおれもかっこいいなとも思った。

結果は異常なし、おできもなんともなかった。おできの写真を見せてくれたが、蚊に刺された跡より小さかった。

こんな大きさなら「ちょっとしたおでき」って言ってくれよ。

おできのほか、医師は腸の写真を見せてくれた。写真は腸の奥から肛門に向かって進み、最後に肛門のところで痔がありますねと言った。痔を腸の側から見たのは新鮮だった。

いくつかの塊があっちこっち向いていて、ラシュモア山の大統領像に少し似てた。

わ、起きてた

眠りが浅い。

いびきをかいている人は少しつっつくと静かになるものだが、僕は少しつっつかれると起きてしまうのだ。

僕のいびきを止めようと突っついた妻は「わ、起きた」と思うらしい。

前回に続いて大腸検査の話だ。

腸のなかを機器が移動するので麻酔を入れる。「ねむくなる薬いれますね」と言われたのだが、まったくねむくならなかった。そういうものなのかなと思ってじっとしていた。

検査している人たちが子供の自由研究をやったかどうかという話をしているのが聞こえた。「僕、自由研究みたいな仕事しているんですけど、読書感想文を作る企画は人気ですよ」と会話に入ってみた(腸にカメラ入ったまま)。

しかし検査師の答えは

「わ、起きてた」

だった。家でよく聞くセリフだ。死体がしゃべった、みたいなリアクションが愉快だった。

しかし後から考えたのだが、「自由研究みたいな仕事」や「読書感想文を作る企画」って麻酔で朦朧としている人の発言と思われたかもしれない。でもデイリーポータルZのことである。

僕の仕事はうわ言みたいなんだなと検査後のベッドで思った(そこでも全く眠くならなかった)。