地図に個人的なことを載せる

うちからちょっと離れたところにせんだみつおの家があるらしく、むかし近所の子供がピンポンダッシュをしていたという話をもともと住んでいる人に聞いた。

せんだみつおが出てくるかもしれないと思ったらやるかもしれない。

こういう話を聞くと慣れない土地でもぐっとリアリティを感じる。

これぐらい個人的な情報を聞いて地図に載せていくのが好きで、デイリーポータルZで「ちょっと見てきて」というサービスを始めたり、個人的にも「ここ前なんだっけ」というサービスを作ったりした。今どちらも動いてないけど。

記事でも地元の人に町を案内してもらったりもした(小垣江鹿児島)。

動画で1年やったストへぇの総集編もなかなか些細でド個人的な情報が集まっている。

書きながら思い出したが、「地元の人がよくいく店リスト」という投稿企画もそうだ。ずっと同じことやってるんだな。

博物館の音声ガイドのように耳で聞けるようにしてもいい。いいというのは僕が聴きたいということである。

車窓の副音声とかあったら最高だ。僕は地元のを作るので、誰か大阪モノレールのを作って欲しい。こんど乗るときに聞くから。

恥ずかしー

知人がFacebookで動画をシェアしていた。

車がアクロバティックな動きをするものだった。すごい、と。

ただ、よく見ると車にはロープが付いていて、外からの力で動いているようだった。車がすごいというのは知人の勘違いだった。

それをコメント欄で指摘されて「恥ずかしー」と答えていた。動画よりもこの「恥ずかしー」に感心した。

こういうとき、ごまかしたり言い訳をするともっとかっこ悪いことになる。

「恥ずかしー」という素直でかわいい返し(知人はおっさんである)。この「恥ずかしー」が言えるかどうかでQOLが変わってくるんじゃないだろうか。

よく勘違いするので指摘されたら使おう。「恥ずかしー」

宝石箱をひっくり返したよう

星空などを「宝石箱をひっくり返したような」と形容するが、宝石箱をひっくり返したことがない。

そもそも実際に宝石箱を見たことがない。

仮に宝石が入っている宝石箱があったとして、実際にひっくり返すと小さい宝石はどこかに転がってしまうだろう。棚の下やサッシの溝に入ってしまうかもしれない。

しかし宝石である。「そのうち出てくるだろ」と諦めるわけにはいかない。

いや、そもそも宝石箱に何が入っていたのかのリストがないと、ちゃんと回収できたかもわからないじゃないか。ひっくり返す前にまずは管理表づくりである。

もし部屋の隅とかに落ちたままになっていたら、踏むと相当痛いだろう。宝石のカットはほぼマキビシである。めちゃくちゃ硬いのも危ない。

「宝石箱をひっくり返したような」という慣用句を考えてみただけでこれほど心配な気持ちになる。

宝石箱がなくてよかった。

ホスピタリティがずれている

間違ったところにこだわっているものを見ると、忘れたくないと思う。

「当店の舟盛りは本物の舟を使っています」

そう書いている店があった。刺し身を乗せるにしてはずいぶん大きい。舟のへりにちょっと置くぐらいかもしれない。箸を持って舟のまわりをウロウロするのだろうか。刺し身を見つけられる自信がない。

「メガネに度がはいっています」

メガネをかけた女優が出るアダルトビデオのパッケージにそう書いてあった。そこは大事なのだろうか。ただ、性の話になると、そういうのもあるのかもしれないと思う。

「ハンバーグ食べ放題」

そんな垂れ幕を掲げているラブホテルを電車から見た。ホスピタリティがずれている。

大人がまじめに商売のことを考えた結果、おかしな方向に全速力で走っている姿はすごく愛おしい。

本物のライオンを使った獅子舞も見たい。

サラダ創立記念日

僕が通っていた小学校の創立記念日は6月17日だった。

しかしよく考えるとなんで学校が始まった日がそんな半端なんだろう? 学校が新設されたら始まるのは4月1日だろう。

Wikipediaによると創立記念日は自由に決めて良いらしく、学校を作る準備を始めた日や校舎ができた日にしているらしい。地元の祭に合わせたという学校もあった。

サラダがおいしいからサラダ記念日という理由とたいして変わらない。

大阪で安室奈美恵を聴く

2年前、大阪の京橋でAirbnbを使って泊まった。

コンクリ打ちっぱなしのデザイナーズマンションだった。部屋には豪奢なシャンデリアがぶら下がっていて、絶対自分じゃ買わないインテリアに笑った。

夜、その部屋でひとりでSoundCloudを聴いてたら安室奈美恵のリミックスがかかった。

知らない町の知らない部屋でふだん聴かない音楽を聴いている。

平行世界との境界を越えた感じがする。この町で僕はどんな仕事をしているだろう。車の免許は持ってるだろうか。

先月、久しぶりに大阪でAirbnbを使った。

今度は上本町のアパートだ。仕事がある梅田まで自転車を借りて移動した。帰りに弁当を買って帰ってきた。

iPadで音楽を聴きながら食べていて、そうだと思って安室奈美恵にした。

大阪のおれは安室奈美恵を聴くのだった。

徐々にもうひとつの世界がしっかりしてきた感じがする。