人間の凶器

高校の体育で柔道があった。柔道の最初の授業で体育教師が「人間には凶器があるのを知っているか?」と問いかけてきた。

人間の凶器?

ははーん。狂気だ、と思った。柔道に夢中になるあまり、我を忘れてしまうこと。凶器と狂気をかけてるのだろう。

指されたらそう答えよう。だが教師は別の生徒を指した。

生徒:「爪です」
体育教師:「正解」

具体的で単純な話だった。指されなくてよかった~。ドヤ顔で「狂気、狂うに気持ちって書く狂気です」と言ってしまうところだった。言ってたらすげえ恥ずかしかっただろう。よかった~。高校3年間のニックネームが「狂気」になるところだった。

もう30年も前の話だが、その安堵だけずっと覚えている。