耳が落ちている

家に耳が落ちている。

去年の12月にシリコンの耳がついているカチューシャを作った。マスクを掛けていると耳が痛くなるから耳を追加できます、という冗談の工作だ。

だが、これをメイカーフェアに持っていったところ好評で「これは売れる」と3人に言われた。商品化を決意してその晩にアリエクスプレスで追加の耳を購入した。

商品が届くまでの半月ほどの間にすっかり作る気は失せて、届いた耳は本棚の上に放置した。

本を出したときに耳が落ちたようで、このまえ床に耳が落ちているのを発見した。

シリコンの耳はなぜか水分が染み出して、床にシミを作っていた。

床の上の耳が汗をかく。

抽象のようだが具象である。